写真はFIBAサイトより

Covid-19のパンデミックの影響で、2021年に延期された東京オリンピック。
バスケットボール女子の出場国12カ国は2020年2月に決定しています。
ここでは、東京オリンピックが開催されたときの参考になればと、日本を除く出場11カ国の情報を、この2年間に開催された以下の国際大会の結果や映像を整理しつつ、まとめていきます。戦術的な話などはありません(そもそもできない)ので、あしからず。

  • 2020年2月に行われたオリンピック予選
  • 2019年のオリンピック地区予選(アジア・オセアニア、アメリカ・アフリカ)
  • コンチネンタルカップ(アジアカップ、ユーロバスケット2019,2021予選、アメリカップ、アフロバスケット)

セルビア代表

初めに紹介するチームはセルビア代表です。
なぜセルビアが初回なのかは、数人の選手しか知らないから、チェックしておきたい……(2018年のワールドカップにも出場していませんでしたし)、という個人的な理由からです。

FIBAランキングは8位(ヨーロッパ内5位) ※2020年2月12日時点。
セルビアになってから、オリンピックに出場したのは2016年リオの1回のみですが、3位になっています。ユーゴスラビア時代には、1980年モスクワ 3位、1984年LA 6位、1988年ソウル 2位と好成績を収めています。

中心選手

リオ五輪2016を経験した選手が30歳前後となっており、経験値の高いチーム。
中でもWNBAでの経験もある2人、#5 ソニヤ・バシッチ(旧姓 ペトロビッチ) と #23 アナ・ダボビッチがチームの核。

バシッチは189cmのSFでオールラウンドにプレイします。ユーロバスケット2019のオールスター5にも選出。

ダボビッチはこのチームではPGで3Pも高確率で決めるシューター(登録はSG)。WNBA LAスパークス 1年目(2015年)で20分以上のプレイタイムを得て、2016年はプレイタイムは減ったもののWNBAチャンピオンを経験しています。

他にリオ経験組として、WNBAでの経験があり(2014 ワシントン)、得点力のあるフォワード(PF登録だけどSFっぽい)の#9 エレナ・ブルックス(旧姓 ミロバノビッチ)。お子さんもいます。

SGの#8 ネベナ・ヨバノビッチもリオ経験組で、(少なくとも2019年以降は)スターターに常に名を連ねており、チームに欠かせない存在。

若手としては、#11 アレクサンドラ・シルベンダキッチ(PF 187cm 1996年生)。
シルベンダキッチは20歳でリオ五輪にも出場しており、2018年にはWNBAシアトル・ストームのトレーニングキャンプ契約を結んだり、ユーロリーグWでも活躍しているセルビア期待の若手の1人。2020年2月のオリンピック予選ではロスターから外れましたが(理由は調査中です……)、東京オリンピックでロスターに入る可能性は高いと思います。

コーチ

ヘッドコーチは、マリーナ・マリコビッチ。2020年7月1日にWリーグのデンソー・アイリスのHC就任が発表されました。
父親のボジダール・マリコビッチが、ユーロリーグやスペイン、フランスなどのリーグで何度も優勝している有名なバスケのコーチ。そのため、マリーナは16歳からコーチのキャリアをスタートしているようです。
アシスタントコーチの1人、ヴラディミール・ヴクサノヴィッチはデンソー・アイリスのアソシエイトヘッドコーチ(2020-21シーズン/2019-20はHC)。
もう一人のACはミロシュ・パデン。

チームの印象

(私見です ※信用するかどうかはあなた次第)

4アウト1インで、スリーポイントも1試合あたり20本程度試投で比較的多め(確率は30%前後)。
※ユーロバスケット2019出場チームの3PA平均は19.5本、オリンピック予選セルビア大会は18.6本
オリンピック予選のロスターの平均身長184cm。欧米のチームは大体これぐらいなのでサイズが特に大きいチームという訳ではないですが、オリンピック予選のナイジェリア戦を見ていると、ナイジェリアの激しいディフェンスにボール運びで苦労しているような場面(序盤)があったり、ナイジェリアのスピードのあるガードたちにドライブで抜かれたり、スピード面がやや弱点かもしれません(ちなみにナイジェリアの平均身長は185cm)。
ただ逆に、183cmのダボビッチがPGであるので(他のバックコート陣も高さあり)、他国のPG(170cm台が多い)と高さのミスマッチを作ることはできます(オリンピック予選のUSA戦でもスカイラー・ディギンス-スミス 175cmとマッチアップしたときはポストアップしたり、3Pもコンテストされながらも余裕をもってショットできていたり)。

以下は最近の国際大会から。

東京オリンピック予選 セルビア大会(2020年2月)

2020年2月6日〜9日にかけて開催されたバスケットボール女子 東京オリンピック出場権をかけたオリンピック予選 セルビア大会(16チームが4グループに分かれ、各組上位3チームが出場権)。
セルビアは開催地でもあり、ホームの声援を受け、東京オリンピック出場権を獲得しました。

ロスター

Serbia – FIBA Women’s Olympic Qualifying Tournaments Belgrade, Serbia 2020 – FIBA.basketball

No名前POS身長生年
3マヤ・ミリコビッチPG1751988
5ソニヤ・バシッチ (旧姓 ペトロビッチ)SF1891989
6ササ・チャドSG1781989
8ネベナ・ヨバノビッチSG1791990
9エレナ・ブルックス(旧姓 ミロバノビッチ)PF1901989
10ダヤナ・ブトゥリヤG1751986
13ニコリナ・ミリッチC1891994
14ドラガナ・スタンコビッチC1951995
15ミリヤナ・ボヨビッチG1811987
23アナ・ダボビッチSG1831989
24マヤ・スコリッチPF1841989
33ティナ・クラジスニクC1901991
平均身長 184cm

戦績

[負] 対 USA 69-88
[勝] 対ナイジェリア 70-64
[勝] 対 モザンビーク 76-48

スターターは3試合とも同じで、以下の5人。
#5 ソニヤ・バシッチ SF
#8 ネベナ・ヨバノビッチ SG
#9 エレナ・ブルックス PF
#23 アナ・ダボビッチ SG
#33 ティナ・クラジスニク C

セルビア対USA フルゲーム
セルビア対ナイジェリア フルゲーム
セルビア対モザンビーク フルゲーム

ユーロバスケット2019 (2019年6-7月)

2019年6月27日〜7月7日、上記の東京オリンピック予選のヨーロッパ地区予選も兼ねて開催されたFIBA バスケ女子 ユーロバスケット2019

セルビアは3位となり、オリンピック予選への出場権を得ました。

ロスター

オリンピック予選ではスターターを務めた #33 ティナ・クラジスニクがおらず、#11 アレクサンドラ・シルベンダキッチ(PF 187cm 1996年生)がロスターに入っていました。

戦績

グループフェイズ
[勝] 対 ベラルーシ 55-53
[勝] 対 ロシア 77-63
[勝] 対 ベルギー 70-66
トーナメント
準々決勝 [勝] 対 スウェーデン 87-49
準決勝 [負] 対 スペイン 66-71
3位決定戦 [勝] 対 81-55 イギリス

スターターは5試合は以下の5人。
#5 ソニヤ・バシッチ SF
#8 ネベナ・ヨバノビッチ SG
#9 エレナ・ブルックス PF
#11 アレクサンドラ・シルベンダキッチ PF
#23 アナ・ダボビッチ SG

3位決定戦のみ、#23 ダボビッチがDNP(コーチ判断)で、#3 マヤ・ミリコビッチがスターターに。

セルビア対ロシア フルゲーム
セルビア対ベルギー ハイライト
セルビア対スペイン フルゲーム

ユーロバスケット2021予選(2019年11月-)

2019年11月から行われているユーロバスケット2021の予選
ヨーロッパ各国が9組に分かれ、3ウィンドウのうちの第1ウィンドウ(2019年11月10-18日に開催)されました(第2ウィンドウは2020年11月8-16日、第3は2021年1月31日-2月8日の予定)。

ロスター

オリンピック予選のロスターと比べると、#5 ソニヤ・バシッチ、#14 ドラガナ・スタンコビッチが入っていません。ユーロバスケット2019欠場の#33 ティナ・クラジスニクは入っています。
#11 アレクサンドラ・シルベンダキッチ(ユーロバスケット2019出場)、#20 アレクサンドラ・スタナチェフ(PG 161cm 1994年生)が入っています。

戦績

[勝] 対 トルコ 59-56
[勝] 対 アルバニア 139-34

トルコ戦のスターターは5試合は以下の5人。
#8 ネベナ・ヨバノビッチ SG
#9 エレナ・ブルックス PF
#11 アレクサンドラ・シルベンダキッチ PF
#13 ニコリナ・ミリッチ C
#23 アナ・ダボビッチ SG

セルビア対トルコ ハイライト

次回は?

日本、セルビア以外の国を紹介するとなると、以下の国になります。

オーストラリア
ベルギー
カナダ
中国
フランス
韓国
ナイジェリア
プエルトリコ
スペイン
USA

初出場のベルギーかプエルトリコにしましょうか。
と思いましたが、個人的に超注目のナイジェリアにします。

※選手名のカタカナ表記について

選手名をカタカナ表記に直すときは、できるだけ選手本人や英語実況が発音したものを自分の耳で聞いた音でカタカナにしています。音がわからない場合は、綴: 外国人名のカタカナ表記推定 を使用。
間違っている場合などは教えていただけると幸いです。